虫歯とは
正式にはう蝕といいます。
口の中にいるミュータンス菌が、砂糖をもとに酸を作り出して、
歯を溶かしていく病気です。
原因としては、次の3つの要素が重なるとできます。
1) 歯垢・プラーク(細菌の塊)
2) 砂糖(細菌の餌になります。)
3) 歯の質(う蝕へのなりやすさ。遺伝や環境が影響します。)
この3つの要素が揃い、お口の中のpHが5.5以下になると歯が溶け始めます。
虫歯の進行過程と症状・治療方法について
進行度合いにより、症状や治療方法が違ってきます。
できるだけ早い段階で発見し、治療したほうが負担が少なくてすみます。
C0(シーオー):ごく初期のう蝕
は、歯の表面が溶け始めの状態(脱灰)で、まだ穴は空いていません。
この段階なら、フッ素入りの歯磨き粉や、フッ素塗布を用いることで再石灰化させ、治すことができます。
症状は全くなく、削ってつめる必要はありません。
C1:エナメル質う蝕
歯の表面にあるエナメル質に小さな穴ができた状態です。
エナメル質は神経が通っていないので、痛み等全く症状がありません。
この段階の治療は、「プラスチックレジン」という白い詰め物を詰めるだけの簡単なですみます。保険が適応でき、1回で完了します。
C2:象牙質う蝕
エナメル質の下層にある、象牙質というやわらかい組織まで進行した状態です。象牙質は神経に近い組織のため、甘いものや冷たいものを食べたり飲んだりすると、しみることがあります。
治療方法は、プラスチックレジンを詰める方法か、型をとって「インレー」という詰め物を作る方法があります。インレーの場合は、治療は最低2回必要で、保険適応の金属製のものと、適応外のセラミックインレーがあります。
どちらの場合も、治療の際には麻酔が必要になります。
C3:神経まで進んだう蝕
エナメル質、象牙質の下にある神経まで進んでしまったものです。
症状は、慢性的なう蝕の場合はあまり痛みを感じませんが、一般的には激しい痛みを伴います。
治療方法は、麻酔をしてから「根管治療」という神経を取り除いてきれいにしていく治療を行います。保険適用内で、2回〜数回かかります。
根の治療が終わった後は、土台をたてて「差し歯」を作る治療を行います。
差し歯は種類によって保険の金属や、保険適応外のセラミックなど様々な方法があります。
C4:残根状態
歯のほとんどが溶け尽くされ、根のみが残っている状態です。
症状は、痛みを通り越して何も感じない場合が多いです。しかし、根の先に膿みがたまっている場合が多くあります。
放置すると、膿が骨の中で広がっていきますので、抜歯をするか、神経の治療が必要になります。ケースバイケースですので、歯科医師にご相談ください。
虫歯を予防する方法
う蝕になりにくくするためには、お口の中のpHを5.5以下にならないようにすることが必要です。
そのために以下のような事に気をつけましょう。
- 間食をしない
アメをなめたり、ダラダラおやつを食べていると、口の中のpHが5.5以下になる時間が長くなります。特に砂糖入りのおやつを食べる場合は、できるだけ時間を決めるようにし、ダラダラ食いをなくしましょう。 - 毎食後に歯磨きをする
朝と夜は唾液の分泌量が減るため、特にう蝕が進行しやすくなります。
そのため、朝と晩の最低2回は必ずしっかり歯を磨きましょう。
できれば、昼ご飯の後も磨くのがベストです。 - キシリトールガムを噛む
キシリトールは、ミュータンス菌が酸を作れなくなります。ガムを噛む事で唾液の分泌も促されますので、pHが中和されます。
う蝕になりやすい方は、アメよりも積極的にキシリトールガムをかむようにしましょう。 - フッ素を応用する
フッ素は歯の再石灰化を促進し、初期虫歯なら治してくれます。
フッ素入りの歯磨き粉を使うようにし、フッ素ジェルで仕上げ磨きをしたり、歯面にフッ素塗布を行うとより効果的です。
当院ではお一人お一人にあった予防アドバイスをしております。
お気軽に担当歯科医師や歯科衛生士までご相談ください。